今日国道16号をクルマで走ってみましたが、金曜日ということもあり多くのトラックが行きかっていました。「ああ、このトラック輸送、トラックドライバーのお陰で自分たちの日々の生活が成り立っているんだな」と改めて心からそう思いました。物流業界は例のアマゾンなどでの物量増加、宅配・再配達問題等で数年前から人手不足がクローズアップされてきました。来年2024年からは残業時間の上限規制が一般企業並みになり、このままでは物流が滞ってしまうとの危機感から、現在進行形で行政・民間などから様々な対策が打たれているところです。私たちコンサルタントも物流企業のお客様に働き方改革含めた環境改善施策を種々ご提案しておりますが、抜本的劇的画期的とは行かず、何とも歯がゆい思いをしております。
広辞苑では、物流は「商品その他の品物を生産地から消費地まで運ぶための包装・荷役・保管・運送の仕事」と記載されています。一方、物流の英語訳として一般的な”logistics”は「原材料の調達から販売まで、企業内の全ての物流を効率的に管理するシステム。もとは軍事用語で、補給・兵站を言う」となっています。ということは、物流=logisticsではなく、物流〈 logisticsで、英語訳の方が物流システム全般を包含する言葉ということがわかると思います。ですから、「2024年物流問題」は本当は「2024年logistics(ロジスティクス)問題」と言うべきのはずですよね。だって、単にモノを運ぶだけの問題ではなく物流システム全般の問題だからです。実際はそれだけ奥の深い難題だということです。
少し前ですが、そのトラックを製造販売している「日野自動車」が排出ガスや燃費の不正問題を起こしてしまいました。勿論、メーカーとして如何なる理由があるにせよ不正に手を染めていたことは言語同断ですが、少なくとも一般の製造や販売の現場はいいシゴトをしてきたと私個人は思っておりますし、国内メーカーのトラックの中で一番壊れにくい(止まらない、耐久性が高い)と専らの評判でした。と言うのも、小生前職では日野自動車には大変お世話になり、余りに好き過ぎて志願して同社らとの合弁会社に出向したくらいです(MOBILOTS㈱がそうです)。だから、現場の方々が一生懸命トラックを造ったり、販売したり、修理したりするのを目の当たりにしてきて、そこには少しのブレもなかったと信じています。そんな愚直で真摯な姿を長年見てきたからこそ、運送会社の経営者もドライバーも日野自動車のファンであり続けるのです。このような問題があっても決して見放さず、皆日野自動車の復活を願っているのです。だからこそ、本当に頑張って欲しいし、2024年logistics問題解決向けてもメーカー、デーラーとして謙虚にも果敢にチャレンジして欲しい。日野自動車の再生がlogisticsの再編に必ずや繋がると確信しています。
最後にそのトラックの燃費って皆さんご存じですか?俗に言う「大型トラック(総重量25トン車)」では約3~4㎞/L(軽油)しかないのです。乗用車(重いものでも2トンくらい)の10倍以上もの重量物を動かすには相当なエネルギーが必要なのです。そう考えると、勿論不正はいけませんが、重量物運搬の燃費を改善することは、おそらく神業(実現不可能)に近いもので(燃費を良くするには軽くするしかない)、だから不正を犯してしまったのかも知れません。。。擁護はしませんけど。
2023年10月13日
何と今日は13日の金曜日でした 本郷 茂